川村カオリさんの訃報
「ZOO」や「翼をください」などのヒット曲で知られる川村カオリさん(38)が、先月28日乳がんでお亡くなりになられたニュースは、大きく報道されたので皆さんご存知だと思います。
2004年に乳がんと診断され、手術を受けられましたが2008年に再発、闘病の様子を公表しつつ、乳がん早期発見啓蒙(けいもう)の「ピンクリボン運動」に力を注ぎながら音楽活動を続けていらっしゃいました。ご冥福をお祈りいたします。
この乳がんですが、乳房には乳腺がたくさんあり、この乳腺にできる悪性腫瘍のことです。約90%は乳管(母乳の通り道となる管)から発生する「乳管がん」で、約5%が小葉(母乳を作る場所)から発生する「小葉がん」です。他に特殊な乳がんとして、乳頭のただれを起こす「パジェット病」などがあります。
乳がんの特徴として、他のがんとは異なり、45歳から50歳代の比較的若い世代に多いことで、近年急増しています。乳がんが乳管や小葉の中にとどまっている状態を「非浸潤がん」と呼び、この段階であれば転移や再発する危険はほとんどありません。
しかし一方で、がん細胞が乳管や小葉を越えて周りの組織に広がったものを「浸潤がん」と呼び、転移や再発の危険性を伴います。しこりとして触れる乳がんの多くは「浸潤がん」のこと「乳がん=しこり」と思われていますが、転移・再発の危険のない「非浸潤がん」はしこりとして触れません。
非浸潤がんで発見すれば、10年生存率(診断から 10年後に生存している割合)はほぼ100%、「しこりが2cm以下でリンパ節転移のないもの」と定義される早期がんでは10年生存率は約90%と高い数字になっています。それ故、触ってわかるしこりを探す「視触診(見て触る)検診」だけでは不十分で、非浸潤がんの発見には乳房をはさみ込んでエックス線撮影する「マンモグラフィ」による検診が重要となっています。